漢方薬で婦人病・更年期障害・不妊症・等、さまざまな症状を改善。

三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)

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三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)

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概説

三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)

 三黄瀉心湯は、のぼせ、イライラ、高血圧にともなう諸症状、などに
 用いる漢方薬です。

作用

働き

 三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)という方剤です。
 体の熱や炎症をとり、機能の亢進をしずめる働きがあります。
 体力があり赤ら顔、のぼせやイライラすることが多く、また便秘がちの人
 に向く処方です。

 具体的には、のぼせやほてり、イライラ感や不安感、不眠、便秘、鼻血など出血、
 あるいは高血圧にともなう頭重感や肩こり・めまい感などに適応します。

組成

 漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。

 三黄瀉心湯の構成生薬は、
 下記の3種類で、いずれも熱や炎症をしずめる寒性の生薬です。
 “大黄”には、便通をつける作用もあります。

 病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。

  •黄連(オウレン)
  •黄ごん(オウゴン)
  •大黄(ダイオウ)

特徴

3種類の“黄”

 3種類の“黄”のつく生薬からなり、方剤名の由来もそこにあります。
 “瀉心”には心下部のミゾウチ付近のつかえを取り去るという意味があります。
 漢時代の「金匱要略」という古典書で紹介されている処方です。

適応証(体質)は、

 実証(体力充実)、熱症(暑がり)、升証(のぼせ、不安・興奮、便秘)、
 となります。

注意

診察で

 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
 妊娠中の人は医師に申し出てください。
 市販薬も含め服用中の薬を医師に教えてください。

注意する人

 体力の充実している「実証」向けの方剤です。
 したがって、体の虚弱な「虚証」の人、また、下痢をしている人、
 は控えるようにします。
 食欲不振や吐き気など、胃腸の弱っている人も慎重に用いる必要があります。

注意が必要なケース..

 虚証(虚弱)、胃弱(食欲不振、吐き気、嘔吐)、下痢や軟便のある人、など。

飲み合わせ・食べ合わせ

 他の漢方薬と併用する場合は、大黄の重複に注意が必要です。

 飲み合わせに注意..大黄含有製剤。

使用にあたり

 ふつう、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に飲みます。
 顆粒は、お湯で溶かしてから、ゆったりした気分で飲むとよいでしょう。
 むかつくときは、水で飲んでもかまいません。
 (熱証の人は、冷たい水で飲んだほうがよいことも)

 もし、食欲がなくなったり、吐き気を催すようでしたら、食後でもよいと思います。
 効果のないときは、医師と相談してみてください。証の再判定が必要かもしれません。

妊娠・授乳

 配合生薬の大黄には、子宮収縮作用や骨盤内臓器の充血作用が認められています。
 そのため、流早産の原因にもなりかねません。

大量でなければまず心配ないのですが、

 妊娠中の服用については医師とよく相談してください。

効能

ツムラ・他

 比較的体力があり、のぼせ気味で、顔面紅潮し、精神不安で、便秘の傾向のある
 ものの次の諸症。
 高血圧の随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重、不眠、不安)、
 鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症。

コタロー

 のぼせて不安感があり、胃部がつかえて便秘がひどいもの、
 あるいは充血または出血の傾向を伴うもの。
 高血圧症、動脈硬化症、脳いっ血、下血、鼻出血、常習便秘。

用法

通常、

 成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用する。
 なお、年齢、体重、症状により適宜増減する(ツムラ)。
 ※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。

副作用

漢方薬にも少しは副作用があります。

 人によっては、胃の不快感、食欲不振、吐き気、腹痛、下痢などおこします。
 腹痛や下痢がひどいときは、早めに受診してください。

そのほか、

 間質性肺炎肝障害が報告されています。

万一のことですが、

 咳や息切れ、呼吸困難、発熱、ひどい倦怠感、皮膚や白目が黄色くなる、
 といった症状に注意し、そのような場合はすぐ医師に連絡してください。

重い副作用 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください

 間質性肺炎....から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、
          皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。

その他

 食欲不振、腹痛、下痢

備考

中国の中医学中薬と日本の漢方薬

 中医学中薬は中国で生まれた体系医学です。
 その起源は遠く2千年以上もさかのぼります。
 そして、日本にも古くから伝わり、独自の発展をとげ漢方となりました。

漢方薬の特徴

 漢方の特徴は、体全体をみるということです。
 体全体の調子を整え、病気を治していくのです。
 ですから、病気の症状だけでなく、一人ひとりの体質も診断しなければなりません。
 このときの体の状態や体質をあらわすのが「証(しょう)」という概念です。

 このような考え方は、西洋医学が臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的です。
 漢方のよさは、薬そのものよりも、証にもとづき「人をみる」という、
 その考え方にあるといっても過言でないでしょう。

漢方薬の保険適応

 病院では、服用が簡単な「エキス剤」が広く使われています。
 これは、煎じ薬を濃縮乾燥させたもので、そのままお湯に溶かすだけで飲めます。
  (一部の専門外来では、生薬のまま調合することも)
 現在、三黄瀉心湯をはじめ約150種類の方剤が保険適応となっています。


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