漢方薬で婦人病・更年期障害・不妊症・等、さまざまな症状を改善。

半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)

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半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)

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概説

半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)

 半夏厚朴湯は、気分をリラックスさせ、咳や吐き気をおさえる漢方薬です。

作用

働き

 半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)という方剤です。
 神経をしずめて、心と体の状態をよくします。
 また、咳や吐き気をおさえる作用もあります。
 心身ともに疲れやすく、冷え症で繊細な人に向く処方です。

 とくに、ノドのつかえ感を訴えるときに好んで用いられます。
 具体的には、不安感や緊張感、イライラ、抑うつ、不眠、神経性の胃炎や動悸、
 めまい、さらに喘息や気管支炎などにも適応します。

組成

 漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。
 半夏厚朴湯は、主薬の“半夏”と“厚朴”を中心に下記の5種類の生薬からなります。

 “半夏”と“厚朴”は、ノドのつかえ感や吐き気をおさえ、咳をしずめ、
 また気分を落ち着ける役目をします。
 “茯苓”には、水分循環をよくする作用のほか、鎮静作用もあるようです。
 “蘇葉”は咳をおさえ、また、抑うつを発散して治すといわれます。
 さらにこれに、体をあたため胃腸の働きをよくする“生姜”が加わります。

 これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。
 病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。

  •半夏(ハンゲ)
  •厚朴(コウボク)
  •茯苓(ブクリョウ)
  •蘇葉(ソヨウ)
  •生姜(ショウキョウ)

特徴

常用の漢方薬

 よく処方される漢方薬です。(単独で用いる)
 そのほか、小柴胡湯との合方を「柴朴湯」といい、喘息の治療にも使用されます。
 漢時代の「金匱要略」という古典書で紹介されている処方です。

適応証(体質)は、

 虚証(虚弱)、寒証(冷え)、湿証(水分停滞)、
 升証(ノドのつかえ感・嘔気・咳)、気滞(抑うつ・不安)となります。

注意

診察で

 持病のある人は医師に伝えておきましょう。

使用にあたり

 ふつう、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に飲みます。
 顆粒は、お湯で溶かしてから、ゆったりした気分で飲むとよいでしょう。
 むかつくときは、水で飲んでもかまいません。

 もし、食欲がなくなったり、吐き気を催すようでしたら、食後でもよいと思います。
 効果のないときは、医師と相談してみてください。証の再判定が必要かもしれません。

効能

ツムラ

 気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、ときに動悸、
 めまい、嘔気などを伴う次の諸症。
 不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、
 神経性食道狭窄症、不眠症。

クラシエ・他

 気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、
 めまい、嘔気などを伴う次の諸症。
 不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声。

コタロー

 精神不安があり、咽喉から胸元にかけてふさがるような感じがして、
 胃部に停滞膨満感のあるもの。
 通常消化機能悪く、悪心や嘔吐を伴うこともあるもの。
 気管支炎、嗄声、咳嗽発作、気管支喘息、神経性食道狭窄、胃弱、
 心臓喘息、神経症、神経衰弱、恐怖症、不眠症、つわり、
 その他嘔吐症、更年期神経症、浮腫、神経性頭痛。

三和

 精神不安があって咽喉から胸もとにかけて、
 ふさがるような感じがして胃部が重苦しく、
 不眠・恐怖感、食欲不振、咳嗽などを伴うものの次の諸症。
 気管支喘息、気管支炎、百日咳、婦人悪阻、嗄声、胃神経症、
 更年期神経症、神経性咽頭痛、ノイロ―ゼ。

用法

通常、

 成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用する。
 なお、年齢、体重、症状により適宜増減する(ツムラ)。
 ※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。

副作用

漢方薬にも少しは副作用があります。

 人によっては、服用時にむかついたり、食欲がなくなるかもしれません。
 しだいに慣れることが多いのですが、つらいときは医師と相談してください。
 胃の不快感、食欲不振、軽い吐き気
 発疹、発赤、かゆみ

備考

中国の中医学中薬と日本の漢方薬

 中医学中薬は中国で生まれた体系医学です。
 その起源は遠く2千年以上もさかのぼります。
 そして、日本にも古くから伝わり、独自の発展をとげ漢方となりました。

漢方薬の特徴

 漢方の特徴は、体全体をみるということです。
 体全体の調子を整え、病気を治していくのです。
 ですから、病気の症状だけでなく、一人ひとりの体質も診断しなければなりません。
 このときの体の状態や体質をあらわすのが「証(しょう)」という概念です。

 このような考え方は、西洋医学が臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的です。
 漢方のよさは、薬そのものよりも、証にもとづき「人をみる」という、
 その考え方にあるといっても過言でないでしょう。

漢方薬の保険適応

 病院では、服用が簡単な「エキス剤」が広く使われています。
 これは、煎じ薬を濃縮乾燥させたもので、そのままお湯に溶かすだけで飲めます。
  (一部の専門外来では、生薬のまま調合することも)
 現在、半夏厚朴湯をはじめ約150種類の方剤が保険適応となっています。


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