漢方薬で婦人病・更年期障害・不妊症・等、さまざまな症状を改善。

柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)

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柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)

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概説

柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)

 柴胡加竜骨牡蛎湯は、気持ちを落ち着け、心と体をおだやかにする漢方薬です。

作用

働き

 柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)という方剤です。
 神経の高ぶりをしずめて、心と体の状態をよくします。

 具体的には、高血圧や動脈硬化にともなう諸症状、神経症や不眠、
 また、精神面がかかわる動悸や性的機能の低下などにも用います。
 体力が中くらい以上の人で、肋骨下部が張り胸苦しさのある人に向きます。

組成

 漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。
 一般的な柴胡加竜骨牡蛎湯の構成生薬は、下記の11種類です。
 (ツムラ製品は大黄を除く10種類)

 体の炎症や機能の亢進状態をしずめる“柴胡”と“黄ごん”、
 気分を落ち着ける“竜骨”と“牡蛎”、
 おだやかな発散作用のある“桂皮”、
 胸のつかえ感や吐き気をおさえる“半夏”、
 などが配合されています。

 これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。
 病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。

  •柴胡(サイコ)
  •竜骨( リュウコツ)
  •牡蛎(ボレイ)
  •黄ごん(オウゴン)
  •大黄(ダイオウ)(ツムラ製品は含まない)
  •半夏(ハンゲ)
  •人参(ニンジン)
  •茯苓(ブクリョウ)
  •桂皮(ケイヒ)
  •生姜(ショウキョウ)
  •大棗(タイソウ)

特徴

特徴

 基本処方である小柴胡湯から“甘草”を除き、
 鎮静作用があるといわれる“竜骨”や“牡蛎”、“茯苓”、“桂皮”、“大黄”を加えた
 処方です。
 方剤名の由来もそこにあります。
 漢時代の「傷寒論」という古典書で紹介されている処方です。

適応証(体質)は、

 中間証~やや実証(体力中くらい以上)、胸脇苦満(肋骨下部の張り)、
 気上衝(のぼせ・イライラ・緊張・不安)、となります。

注意

診察で

 持病のある人は医師に伝えておきましょう。

注意する人

 体が虚弱で胃腸が弱く、軟便や下痢を起こしやすい人は、
 慎重に用いるようにします。
 この場合、大黄を含まないツムラ製品のほうがよいかもしれません。

使用にあたり

 ふつう、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に飲みます。
 顆粒は、お湯で溶かしてから、ゆったりした気分で飲むとよいでしょう。
 むかつくときは、水で飲んでもかまいません。

 もし、食欲がなくなったり、吐き気を催すようでしたら、食後でもよいと思います。
 効果のないときは、医師と相談してみてください。証の再判定が必要かもしれません。

効能

ツムラ

 比較的体力があり、心悸亢進、不眠、いらだち等の精神症状のあるものの次の諸症。
 高血圧症、動脈硬化症、慢性腎臓病、神経衰弱症、神経性心悸亢進症、
 てんかん、ヒステリー、小児夜啼症、陰萎。

クラシエ・他

 精神不安があって、どうき、不眠などを伴う次の諸症。
 高血圧の随伴症状(どうき、不安、不眠)、神経症、更年期神経症、小児夜なき。

コタロー

 精神不安があって驚きやすく、
 心悸亢進、胸内苦悶、めまい、のぼせ、不眠などを伴い、
 あるいは臍部周辺に動悸を自覚し、みぞおちがつかえて便秘し、尿量減少するもの。
 動脈硬化、高血圧、腎臓病、不眠症、神経性心悸亢進、心臓衰弱、
 テンカン、小児夜啼症、更年期神経症、陰萎、神経症。

用法

通常、

 成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用する。
 なお、年齢、体重、症状により適宜増減する(ツムラ)。
 ※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。

副作用

漢方薬にも少しは副作用があります。

 人によっては、服用時にむかついたり、かえって食欲がなくなるかもしれません。
 また、大黄を含む製品では、腹痛や下痢を起こす可能性があります。

そのほか、

 間質性肺炎肝障害が報告されています。

万一のことですが、

 咳や息切れ、呼吸困難、発熱、ひどい倦怠感、皮膚や白目が黄色くなる、
 といった症状に注意し、そのような場合はすぐ医師に連絡してください。

重い副作用 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください

 間質性肺炎....から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、
          皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。

その他

 胃の不快感、食欲不振、軽い吐き気
 腹痛、下痢(大黄を含む製品)
 発疹、発赤、かゆみ

備考

中国の中医学中薬と日本の漢方薬

 中医学中薬は中国で生まれた体系医学です。
 その起源は遠く2千年以上もさかのぼります。
 そして、日本にも古くから伝わり、独自の発展をとげ漢方となりました。

漢方薬の特徴

 漢方の特徴は、体全体をみるということです。
 体全体の調子を整え、病気を治していくのです。
 ですから、病気の症状だけでなく、一人ひとりの体質も診断しなければなりません。
 このときの体の状態や体質をあらわすのが「証(しょう)」という概念です。

 このような考え方は、西洋医学が臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的です。
 漢方のよさは、薬そのものよりも、証にもとづき「人をみる」という、
 その考え方にあるといっても過言でないでしょう。

漢方薬の保険適応

 病院では、服用が簡単な「エキス剤」が広く使われています。
 これは、煎じ薬を濃縮乾燥させたもので、そのままお湯に溶かすだけで飲めます。
  (一部の専門外来では、生薬のまま調合することも)
 現在、柴胡加竜骨牡蛎湯をはじめ約150種類の方剤が保険適応となっています。


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