漢方薬で婦人病・更年期障害・不妊症・等、さまざまな症状を改善。

桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)

漢方薬の種類  ツムラ漢方薬  漢方薬の一覧  生薬の一覧  漢方薬

桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)

[#r3d02716]
       スポンサードリンク

       

概説

桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)

 桂枝加竜骨牡蛎湯は、気持ちを落ち着け、心と体をおだやかにする漢方薬です。

作用

働き

 桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)という方剤です。
 神経の高ぶりをしずめ、また、気力をつけることで心の状態をよくします。
 具体的には、神経症や不眠、夜尿症、
 また、精神面がかかわる動悸や性的機能の低下などにも用います。
 やせて顔色が悪く、心身の繊細な人に向く処方です。

組成】

 漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。
 桂枝加竜骨牡蛎湯は、主薬の“桂枝(桂皮)”をはじめ、
 下記の7種類の生薬からなります。

 おだやかな発汗・発散作用のある“桂皮”、
 気分を落ち着ける“竜骨”と“牡蛎”、
 痛みをやわらげる“芍薬”、
 体をあたためる“生姜”、
 緩和作用のある“甘草”、
 などが配合されています。

 これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。
 病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。

  •桂皮(ケイヒ)
  •竜骨(リュウコツ)
  •牡蛎(ボレイ)
  •芍薬(シャクヤク)
  •生姜(ショウキョウ)
  •大棗(タイソウ)
  •甘草(カンゾウ)

特徴

特徴

 基本処方である桂枝湯に、
 鎮静作用があるといわれる“竜骨”と“牡蛎”を加えたものです。
 方剤名の由来もそこにあります。

適応証(体質)は、

 虚証(虚弱)、気上衝(のぼせ・イライラ・緊張・不安)となります。

注意

診察で

 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
 市販薬も含め服用中の薬を医師に教えてください。

飲み合わせ・食べ合わせ

 芍薬甘草湯など甘草を含む他の漢方薬といっしょに飲むときは、
 「偽アルドステロン症」の副作用に注意が必要です。

飲み合わせに注意..

 甘草含有製剤、グリチルリチン(グリチロン等)など。

使用にあたり

 ふつう、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に飲みます。
 顆粒は、お湯で溶かしてから、ゆったりした気分で飲むとよいでしょう。
 むかつくときは、水で飲んでもかまいません。

 もし、かえって食欲がなくなったり、吐き気を催すようでしたら、
 食後でもよいと思います。
 効果のないときは、医師と相談してみてください。証の再判定が必要かもしれません。

効能

ツムラ

 下腹直腹筋に緊張のある比較的体力の衰えているものの次の諸症。
 小児夜尿症、神経衰弱、性的神経衰弱、遺精、陰萎。

クラシエ・他

 体質の虚弱な人で疲れやすく、興奮しやすいものの次の諸症
 神経質、不眠症、小児夜泣き、小児夜尿症、眼精疲労。

コタロー

 神経症状があり、頭痛、のぼせ、耳鳴りなどを伴って疲労しやすく、
 臍部周辺に動悸を自覚して排尿回数、尿量ともに増加するもの。
 神経衰弱、心悸亢進、性的ノイローゼ、陰萎、小児夜尿症、夜驚症、脱毛症。

用法

通常、

 成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用する。
 なお、年齢、体重、症状により適宜増減する(ツムラ)。
 ※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。

副作用

漢方薬にも少しは副作用があります。

 人によっては、服用時にむかついたり、かえって食欲がなくなるかもしれません。
 しだいに慣れることが多いのですが、つらいときは医師と相談してください。

重い副作用はまずありませんが、

 配合生薬の甘草の大量服用により、
 浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります。
 「偽アルドステロン症」と呼ばれる症状です。
 複数の方剤の長期併用時など、念のため注意が必要です。

重い副作用 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください

 偽アルドステロン症..だるい、血圧上昇、むくみ、体重増加、手足のしびれ・痛み、
            筋肉のぴくつき・ふるえ、力が入らない、低カリウム血症。

その他

 胃の不快感、食欲不振、軽い吐き気
 発疹、発赤、かゆみ

備考

中国の中医学中薬と日本の漢方薬

 中医学中薬は中国で生まれた体系医学です。
 その起源は遠く2千年以上もさかのぼります。
 そして、日本にも古くから伝わり、独自の発展をとげ漢方となりました。

漢方薬の特徴

 漢方の特徴は、体全体をみるということです。
 体全体の調子を整え、病気を治していくのです。
 ですから、病気の症状だけでなく、一人ひとりの体質も診断しなければなりません。
 このときの体の状態や体質をあらわすのが「証(しょう)」という概念です。

 このような考え方は、西洋医学が臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的です。
 漢方のよさは、薬そのものよりも、証にもとづき「人をみる」という、
 その考え方にあるといっても過言でないでしょう。

漢方薬の保険適応

 病院では、服用が簡単な「エキス剤」が広く使われています。
 これは、煎じ薬を濃縮乾燥させたもので、そのままお湯に溶かすだけで飲めます。
  (一部の専門外来では、生薬のまま調合することも)
 現在、桂枝加竜骨牡蛎湯をはじめ約150種類の方剤が保険適応となっています。


前のページ : 桂枝加朮附湯(ケイシカジュツブトウ)
次のページ : 桂枝加苓朮附湯(ケイシカリョウジュツブトウ)

powered by Quick Homepage Maker 4.91
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional