漢方薬で婦人病・更年期障害・不妊症・等、さまざまな症状を改善。

桂枝茯苓丸加よく苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)

漢方薬の種類  ツムラ漢方薬  漢方薬の一覧  生薬の一覧  漢方薬

桂枝茯苓丸加よく苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)

[#aaaf558d]
       スポンサードリンク

       

概説

桂枝茯苓丸加よく苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)

 桂枝茯苓丸加よく苡仁は、血行をよくする漢方薬です。
 おもに、生理不順や生理痛、更年期障害、のぼせ、ニキビなどに用います。

作用

働き

 漢方では、血行障害や鬱血を“お血”(おけつ)という概念でとらえ重視します。
 女性の月経トラブルを含め、いやゆる“血の道症”には、
 この“お血”を改善する漢方薬がよく使われます。

 その一つが桂枝茯苓丸加よく苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)です。
 血行をよくして熱のバランスを整えることで、
 のぼせや冷えを改善し、子宮などの炎症をしずめます。

 また、肌の状態をよくする効果も期待できます。
 どちらかというと女性向けで、体格がわりとしっかりした赤ら顔の人に向きます。

 具体的には、生理不順や生理痛、頭痛、めまい、肩こり、のぼせ、足の冷え、
 などに適応します。
 また、そのような諸症状をともなう更年期障害にも適します。

 そのほか、子宮内膜症や筋腫、ニキビやシミことに赤紫がかったものに、
 また、肌荒れなどにも好んで用いられます。

組成

 漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。
 桂枝茯苓丸加よく苡仁の構成生薬は下記の6種類です。

 “桂枝(桂皮)”には健胃作用のほか発散作用があり、
 のぼせや頭痛によいとされます。
 ”芍薬”は痛みをとる代表的な生薬です。
 そのほか、気分を落ち着け余分な水分を取り除く“茯苓”、
 血液循環をよくする“桃仁”や“牡丹皮”、
 肌をきれいにする“よく苡仁”、
 などが配合されています。

 これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。
 病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。

  •桂皮(ケイヒ)
  •芍薬(シャクヤク)
  •茯苓(ブクリョウ)
  •桃仁(トウニン)
  •牡丹皮(ボタンピ)
  •よく苡仁(ヨクイニン)

特徴

特徴

 桂枝茯苓丸に、ハトムギの種子の“よく苡仁”を加えた処方です。
 方剤名の由来もそこにあります。

適応証(体質)は、

 中間証(体力中くらい)、お血(血流停滞)となります。
 “お血”とは、
  血流の停滞(鬱血、腫れ)とみることができ、出血にもつながるものです。
 また、腹症においては下腹部の抵抗・圧痛を主要目安とします。

注意

診察で

 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
 妊娠中の人は医師に申し出てください。

注意する人

 体がひどく弱っている人は慎重に用いる必要があります。

使用にあたり

 ふつう、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に飲みます。
 顆粒は、お湯で溶かしてから、ゆったりした気分で飲むとよいでしょう。
 むかつくときは、水で飲んでもかまいません。

 もし、食欲がなくなったり、吐き気を催すようでしたら、食後でもよいと思います。
 効果のないときは、医師と相談してみてください。証の再判定が必要かもしれません。

妊娠・授乳

 配合生薬の”桃仁”や”牡丹皮”により、
 妊娠によくない影響をする可能性があります。
 大量でなければまず心配ないのですが、妊娠中の服用については、
 医師とよく相談してください。

効能

効能

 比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、
 のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症。
 月経不順、血の道症、にきび、しみ、手足のあれ。

用法

通常、

 成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用する。
 なお、年令、体重、症状により適宜増減する(ツムラ)。
 ※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。

副作用

漢方薬にも少しは副作用があります。

 人によっては、服用時にむかついたり、かえって食欲がなくなるかもしれません。
 しだいに慣れることが多いのですが、つらいときは医師と相談してください。

そのほか、

 桂枝茯苓丸において肝障害が報告されているようです。

万一のことですが、

 ひどい倦怠感、強い吐き気、皮膚や白目が黄色くなる、といった症状に
 念のため注意してください。

重い副作用 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください

 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、
          皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。

その他

 胃の不快感、食欲不振、吐き気、吐く、下痢
 発疹、発赤、かゆみ
 肝機能値の異常

備考

中国の中医学中薬と日本の漢方薬

 中医学中薬は中国で生まれた体系医学です。
 その起源は遠く2千年以上もさかのぼります。
 そして、日本にも古くから伝わり、独自の発展をとげ漢方となりました。

漢方薬の特徴

 漢方の特徴は、体全体をみるということです。
 体全体の調子を整え、病気を治していくのです。
 ですから、病気の症状だけでなく、一人ひとりの体質も診断しなければなりません。
 このときの体の状態や体質をあらわすのが「証(しょう)」という概念です。

 このような考え方は、西洋医学が臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的です。
 漢方のよさは、薬そのものよりも、証にもとづき「人をみる」という、
 その考え方にあるといっても過言でないでしょう。

漢方薬の保険適応

 病院では、服用が簡単な「エキス剤」が広く使われています。
 これは、煎じ薬を濃縮乾燥させたもので、そのままお湯に溶かすだけで飲めます。
  (一部の専門外来では、生薬のまま調合することも)
 現在、桂枝茯苓丸加よく苡仁をはじめ約150種類の方剤が保険適応となっています。


前のページ : 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
次のページ : 桂芍知母湯(ケイシャクチモトウ)

powered by Quick Homepage Maker 4.91
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional