漢方薬で婦人病・更年期障害・不妊症・等、さまざまな症状を改善。

竜胆瀉肝湯(リュウタンシャカントウ)

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竜胆瀉肝湯(リュウタンシャカントウ)

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概説

竜胆瀉肝湯(リュウタンシャカントウ)

 竜胆瀉肝湯は、排尿痛や残尿感、陰部のカユミなどに用いる漢方薬です。

作用

働き

 竜胆瀉肝湯(リュウタンシャカントウ)という方剤です。
 尿路や生殖器の炎症をさまし、尿の出をよくします。
 わりと体力のある人で、冷えのない場合に向く処方です。

 具体的な症状としては、排尿痛、残尿感、頻尿、尿のにごり、陰部のカユミ、
 などに適応します。
 また、そのような症状をともなう尿道炎や膀胱炎、膣炎、子宮内膜症、
 などにも用います。

組成A

 漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。
 基本的な竜胆瀉肝湯(ツムラ)の処方は、主薬の“竜胆”をはじめ、
 下記の9種類の生薬からなります。

 “竜胆”と“黄ごん”、それと“山梔子”は、熱や炎症をさます寒性の生薬です。
 “木通”、“車前子”、“沢瀉”は、漢方の利尿薬で、水分循環を改善し尿の出をよくします。
 これに、血液循環をよくする“当帰”と“地黄”、緩和作用の“甘草”が加わります。

 これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。
 病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。

  •竜胆(リュウタン)
  •黄ごん(オウゴン)
  •山梔子(サンシシ)
  •木通(モクツウ)
  •車前子(シャゼンシ)
  •沢瀉(タクシャ)
  •当帰(トウキ)
  •地黄(ジオウ)
  •甘草(カンゾウ)

組成B

 コタロー竜胆瀉肝湯は、上記基本処方に以下の生薬が加味(追加)されています。

 “黄連”や“黄柏”など、その多くは寒性の生薬であり、消炎作用の強化が
 はかられているようです。
 “芍薬”は漢方の代表的な痛み止めで、鎮痛・鎮痙作用を発揮します。
 また、発散性の“防風”と“薄荷”、“連翹”などは、体の病因を発散することで
 痛みをやわらげます。
 “川きゅう”には、鎮痛作用のほか、血行をよくしたり、
 生理を順調にする働きがあるといわれます。

  •黄連(オウレン)
  •黄柏(オウバク)
  •芍薬(シャクヤク)
  •防風(ボウフウ)
  •薄荷(ハッカ)
  •連翹(レンギョウ)
  •川きゅう(センキュウ)

特徴

炎症性の尿路疾患に用いる

 炎症性の尿路疾患に用いる代表的な方剤です。
 明時代の「薛氏十六種」という古典書で紹介されています。

適応証(体質)は、

 実証(体力充実)、熱証(炎症)となります。

注意

診察で

 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
 市販薬も含め服用中の薬を医師に教えてください。

注意する人

 冷えの強い「寒証」、体の虚弱な「虚証」の人は控えるようにします。
 胃腸が弱く、食欲不振や吐き気、嘔吐や下痢などを起こしやすい人は、
 慎重に用いるようにします。

飲み合わせ・食べ合わせ

 芍薬甘草湯など甘草を含む他の漢方薬といっしょに飲むときは、
 「偽アルドステロン症」の副作用に注意が必要です。

飲み合わせに注意..

 甘草含有製剤、グリチルリチン(グリチロン等)など。

使用にあたり

 ふつう、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に飲みます。
 顆粒は、お湯で溶かしてから、ゆったりした気分で飲むとよいでしょう。
 むかつくときは、水で飲んでもかまいません。

 もし、食欲がなくなったり、吐き気を催すようでしたら、食後でもよいと思います。
 効果のないときは、医師と相談してみてください。証の再判定が必要かもしれません。

効能

ツムラ・他

 比較的体力があり、下腹部筋肉が緊張する傾向があるものの次の諸症。
 排尿痛、残尿感、尿の濁り、こしけ。

コタロー

 比較的体力のあるものの次の諸症。
 尿道炎、膀胱カタル、膣炎、陰部湿疹、こしけ、陰部痒痛、子宮内膜炎。

三和

 比較的体力があり膀胱や尿道、子宮などに炎症があって排尿時に痛みや
 排尿困難があるものの次の諸症。
 尿道炎、膀胱カタル、膣炎、帯下、陰部湿疹、バルトリン腺炎、
 陰部そう痒症、子宮内膜炎、睾丸炎。

用法

通常

 通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用する。
 なお、年齢、体重、症状により適宜増減する(ツムラ)。
 ※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。

副作用

漢方薬にも少しは副作用があります。

 人によっては、胃の不快感やもたれ感、食欲不振、吐き気などを催します。
 しだいに慣れることが多いのですが、つらいときは医師と相談してください。

重い副作用はまずありませんが、

 配合生薬の甘草の大量服用により、
 浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります。
 「偽アルドステロン症」と呼ばれる症状です。
 複数の方剤の長期併用時など、念のため注意が必要です。

そのほか、

 間質性肺炎肝障害が報告されているようです。

万一のことですが、

 咳や息切れ、呼吸困難、発熱、ひどい倦怠感、皮膚や白目が黄色くなる、
 といった症状に注意し、そのような場合はすぐ医師に連絡してください。

重い副作用 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください

 偽アルドステロン症..だるい、血圧上昇、むくみ、体重増加、手足のしびれ・痛み、
            筋肉のぴくつき・ふるえ、力が入らない、低カリウム血症。
 間質性肺炎......から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
 肝臓の重い症状....だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、
            皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。

その他

 食欲不振、胃の不快感、吐き気、吐く、下痢

備考

中国の中医学中薬と日本の漢方薬

 中医学中薬は中国で生まれた体系医学です。
 その起源は遠く2千年以上もさかのぼります。
 そして、日本にも古くから伝わり、独自の発展をとげ漢方となりました。

漢方薬の特徴

 漢方の特徴は、体全体をみるということです。
 体全体の調子を整え、病気を治していくのです。
 ですから、病気の症状だけでなく、一人ひとりの体質も診断しなければなりません。
 このときの体の状態や体質をあらわすのが「証(しょう)」という概念です。

 このような考え方は、西洋医学が臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的です。
 漢方のよさは、薬そのものよりも、証にもとづき「人をみる」という、
 その考え方にあるといっても過言でないでしょう。

漢方薬の保険適応

 病院では、服用が簡単な「エキス剤」が広く使われています。
 これは、煎じ薬を濃縮乾燥させたもので、そのままお湯に溶かすだけで飲めます。
  (一部の専門外来では、生薬のまま調合することも)
 現在、竜胆瀉肝湯をはじめ約150種類の方剤が保険適応となっています。


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