漢方薬で婦人病・更年期障害・不妊症・等、さまざまな症状を改善。

芍薬甘草湯

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芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)

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概説

芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)

 芍薬甘草湯は、けいれん性の痛みをやわらげる漢方薬です。

作用

働き

 芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)という方剤です。
 胃腸や胆のう、尿路や子宮などの平滑筋、あるいは手足の骨格筋、
 の緊張をゆるめて痛みをやわらげます。
 とくに、差し込むような急激な痛み、いわゆる「疝痛」に有効とされます。

 具体的には、胃けいれんを含め胃痛や腹痛、胆石や尿路結石による疝痛、
 筋肉のつっぱり・こわばりを伴う筋肉痛や神経痛、さらには腰痛や肩こり、生理痛、
 など、いろいろな痛みに広く用いられています。

組成

 漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。
 芍薬甘草湯は、その名が示すよう“芍薬”と“甘草”の2種類からなります。

 どちらも、痛みを緩和する作用をもつ生薬です。
 病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。

  •芍薬(シャクヤク)
  •甘草(カンゾウ)

特徴

漢方薬、痛み止め

 漢方の代表的な痛み止めです。
 漢時代の「傷寒論」という古典書に載っているシンプルな処方ですが、
 今でもよく使われています。
 証(体質)にはそれほどこだわらず、各種の痛みに広く用いることができます。

注意

診察で

 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
 市販薬も含め服用中の薬を医師に教えてください。

注意する人

 アルドステロン症など、病気によってはその症状を悪化させるおそれがあります。
 心臓病や高血圧など循環器系に病気のある人も医師に話しておいてください。

 適さないケース..アルドステロン症、ミオパシー(筋肉障害)、低カリウム血症。

飲み合わせ・食べ合わせ

 甘草を含む他の漢方薬といっしょに飲むときは、
 「偽アルドステロン症」の副作用に注意が必要です。

飲み合わせに注意..

 甘草含有製剤、グリチルリチン(グリチロン等)、利尿薬、など。

使用にあたり

 ふつう、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に飲みます。
 顆粒は、お湯で溶かしてから、ゆったりした気分で飲むとよいでしょう。
 むかつくときは、水で飲んでもかまいません。

 一般的には、症状のひどいときだけ飲むようにします。長期の服用には適しません。
 効果のないときは、医師と相談してみてください。証の再判定が必要かもしれません。

効能

ツムラ・他

 急激におこる筋肉のけいれんを伴う疼痛。

コタロー

 腹直筋緊張し、胃痛または腹痛があるもの。
 胆石症あるいは腎臓・膀胱結石の痙攣痛、四肢・筋肉・関節痛、
 薬物服用後の副作用の腹痛、胃痙攣、急迫性の胃痛。

用法

通常、

 成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用する。
 なお、年齢、体重、症状により適宜増減する(ツムラ)。
 ※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。

副作用

漢方薬にも少しは副作用があります。

 重いものはまずありませんが、配合生薬の甘草の大量服用により、
 浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります。
 「偽アルドステロン症」と呼ばれる症状です。
 浮腫や低カリウム血症により、心臓に悪い影響がでてくるおそれもあります。
 とくに、服用期間が長くなるときは要注意です。

そのほか、

 間質性肺炎肝障害が報告されています。

万一のことですが、

 咳や息切れ、呼吸困難、発熱、ひどい倦怠感、皮膚や白目が黄色くなる、
 といった症状に注意し、そのような場合はすぐ医師に連絡してください。

重い副作用 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください

 偽アルドステロン症..だるい、血圧上昇、むくみ、体重増加、手足のしびれ・痛み、
            筋肉のぴくつき・ふるえ、力が入らない、低カリウム血症。
 心不全・不整脈....息切れ、息苦しい、むくみ、体重増加、動悸、
            脈が弱い、脈の乱れ、めまい、失神。
 間質性肺炎......から咳、息苦しさ、少し動くと息切れ、発熱。
 肝臓の重い症状....だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、
            皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。

その他

 胃の不快感、食欲不振、吐き気、吐く、下痢
 発疹、発赤、かゆみ

備考

中国の中医学中薬と日本の漢方薬

 中医学中薬は中国で生まれた体系医学です。
 その起源は遠く2千年以上もさかのぼります。
 そして、日本にも古くから伝わり、独自の発展をとげ漢方となりました。

漢方薬の特徴

 漢方の特徴は、体全体をみるということです。
 体全体の調子を整え、病気を治していくのです。
 ですから、病気の症状だけでなく、一人ひとりの体質も診断しなければなりません。
 このときの体の状態や体質をあらわすのが「証(しょう)」という概念です。

 このような考え方は、西洋医学が臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的です。
 漢方のよさは、薬そのものよりも、証にもとづき「人をみる」という、
 その考え方にあるといっても過言でないでしょう。

漢方薬の保険適応

 病院では、服用が簡単な「エキス剤」が広く使われています。
 これは、煎じ薬を濃縮乾燥させたもので、そのままお湯に溶かすだけで飲めます。
  (一部の専門外来では、生薬のまま調合することも)
 現在、芍薬甘草湯をはじめ約150種類の方剤が保険適応となっています。


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