漢方薬で婦人病・更年期障害・不妊症・等、さまざまな症状を改善。

苓桂朮甘湯

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苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)

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概説

苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)

 苓桂朮甘湯は、めまいや立ちくらみを改善する漢方薬です。

作用

働き

 漢方では、めまいの第一の要因として“水毒”を疑います。
 水毒とは、体の水分が停滞したり偏在することで、その循環が悪いことを意味します。
 この方剤、苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)は、
 水分循環を改善し水毒を取り去ることで、めまいを治します。

 めまいや立ちくらみ症状を中心に、動悸や息切れ、のぼせ、頭痛、神経症、尿量減少、
 など、をともなうときに用います。
 体が丈夫でない繊細な人向けの処方で、胃に水分が停滞しチャポチャポしやすいことも
 使用目安です。

組成

 漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。
 苓桂朮甘湯の構成生薬は下記の4種類です。

 “茯苓”と“蒼朮”は、水分循環をよくすることで、めまいを改善します。
 “桂皮”は、のぼせに効くほか、頭痛を発散して治すといわれます。
 これに、緩和作用をもつ“甘草”が加わります。

 これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。
 病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。

  •茯苓(ブクリョウ)
  •蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)
  •桂皮(ケイヒ)
  •甘草(カンゾウ)

特徴

漢時代の「傷寒論」および「金匱要略」

 4種の生薬の一字ずつをとって、苓桂朮甘湯と名付けられました。
 漢時代の「傷寒論」および「金匱要略」という古典書で紹介されている処方です。

適応証(体質)は、

 虚証(虚弱)、寒証(冷え)、湿証(水分停滞)となります。

注意

診察で

 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
 市販薬も含め服用中の薬を医師に教えてください。

飲み合わせ・食べ合わせ

 芍薬甘草湯など甘草を含む他の漢方薬といっしょに飲むときは、
 「偽アルドステロン症」の副作用に注意が必要です。

飲み合わせに注意..

 甘草含有製剤、グリチルリチン(グリチロン等)など。

使用にあたり

 ふつう、漢方薬は食前もしくは食間(空腹時)に飲みます。
 顆粒は、お湯で溶かしてから、ゆったりした気分で飲むとよいでしょう。
 むかつくときは、水で飲んでもかまいません。

 もし、かえって食欲がなくなったり、吐き気を催すようでしたら、
 食後でもよいと思います。
 効果のないときは、医師と相談してみてください。証の再判定が必要かもしれません。

効能

ツムラ・他

 めまい、ふらつきがあり、または動悸があり尿量が減少するものの次の諸症。
 神経質、ノイローゼ、めまい、動悸、息切れ、頭痛。

コタロー

 立ちくらみやめまい、あるいは動悸がひどく、のぼせて頭痛がし、顔面やや紅潮したり
 、あるいは貧血し、排尿回数多く、尿量減少して口唇部がかわくもの。
 神経性心悸亢進、神経症、充血、耳鳴、不眠症、血圧異常、心臓衰弱、腎臓病。

三和

 頭痛、頭重、のぼせ、めまい、立ちくらみ、動悸、心悸亢進などがあって不眠、
 精神不安などを伴い尿量減少の傾向があるものの次の諸症。
 神経性心悸亢進症、心臓弁膜症、血圧異常、起立性めまい、メニエル氏症候群、
 神経衰弱、腎臓疾患。

用法

通常

 通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用する。
 なお、年齢、体重、症状により適宜増減する(ツムラ)。
 ※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。

副作用

漢方薬にも少しは副作用があります。

 人によっては、服用時にむかついたり、かえって食欲がなくなるかもしれません。
 しだいに慣れることが多いのですが、つらいときは医師と相談してください。

重い副作用はまずありませんが、

 配合生薬の甘草の大量服用により、
 浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります。
 「偽アルドステロン症」と呼ばれる症状です。
 複数の方剤の長期併用時など、念のため注意が必要です。

重い副作用 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください

 偽アルドステロン症..だるい、血圧上昇、むくみ、体重増加、手足のしびれ・痛み、
            筋肉のぴくつき・ふるえ、力が入らない、低カリウム血症。

その他

 胃の不快感、食欲不振、軽い吐き気
 発疹、発赤、かゆみ

備考

中国の中医学中薬と日本の漢方薬

 中医学中薬は中国で生まれた体系医学です。
 その起源は遠く2千年以上もさかのぼります。
 そして、日本にも古くから伝わり、独自の発展をとげ漢方となりました。

漢方薬の特徴

 漢方の特徴は、体全体をみるということです。
 体全体の調子を整え、病気を治していくのです。
 ですから、病気の症状だけでなく、一人ひとりの体質も診断しなければなりません。
 このときの体の状態や体質をあらわすのが「証(しょう)」という概念です。

 このような考え方は、西洋医学が臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的です。
 漢方のよさは、薬そのものよりも、証にもとづき「人をみる」という、
 その考え方にあるといっても過言でないでしょう。

漢方薬の保険適応

 病院では、服用が簡単な「エキス剤」が広く使われています。
 これは、煎じ薬を濃縮乾燥させたもので、そのままお湯に溶かすだけで飲めます。
  (一部の専門外来では、生薬のまま調合することも)
 現在、苓桂朮甘湯をはじめ約150種類の方剤が保険適応となっています。


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